きびだんごにてWEB広告の運用をはじめ、WEBマーケティング全般を担当しております、本郷です。
先日は、WEB広告の基本と題して、検索連動型広告のご紹介をさせていただきましたが、今回はWEBならではの広告配信手法「ターゲティング広告」をご紹介します。

前回の記事:WEB広告の基本「検索連動型広告」ってなんだ?
https://kibidan-go.co.jp/wp/blog/4645/

 

WEBのターゲティング広告とは、電車の中吊り広告や屋外看板にとって変わるもの?

ここ数年、電車に乗った瞬間にスマホをチェックする、とか、待ち合わせ場所に早く着いたらスマホをチェックする、など、ちょっとしたスキマ時間があると無意識にスマホを触ってしまう…という人が多いと感じておられる方も大勢いらっしゃるのではないでしょうか。

総務省情報通信政策研究所による「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、「平日1日あたりのスマートフォン利用者のインターネット利用時間」は、2012年は平均67分であったのに対して、2016年には82分に延びています。特に、2016年の調査における10代、20代の利用時間は120分を上回る結果になっていて、若者にとってスマホは生活の中心とも言えるほど、なくてはならないものになっています。

出典:「平成29年版 情報通信白書」(総務省)
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h29/html/nc111120.html

 

さきほどの例の通り、電車に乗った瞬間にスマホをチェックしたり、人々が屋外の広告よりもスマホに視線を落としている時間が増加している今の時代、電車内の中吊り広告や駅のホームの広告、屋外看板は見られる機会が減少していると考えるのが妥当です。

前置きがずいぶん長くなりましたが、WEBのターゲティング広告は、電車の中吊り広告や屋外看板などと同様で、WEBサイトやアプリの中のどこかに現れる、注意を喚起したり認知拡大を目的として使われる広告です。

 

「ターゲティング」の名の通り、ターゲットに届けられる

「WEBのターゲティング広告は、電車の中吊り広告や屋外看板などのようなもの」とお伝えしましたが、中吊り広告が路線や車両の掲載位置を選べたり、屋外看板が設置位置を選択できるのと同様に、ターゲティング広告も配信先を指定することができます。

 

指定できるターゲット例

  • 配信地域(都道府県、市区町村、指定の住所から半径〇kmなど)
  • 性別
  • 年齢(10代、20代など、世代で指定できるものが多い。Facebook広告は1歳刻み)
  • 言語
  • 興味関心(旅行が好きな人、スポーツが好きな人など、WEB上の行動履歴で推測される)
  • 検索履歴(過去に検索したことのあるキーワード)
  • 配信先のWEBサイト
  • 自社のサイトを訪問したことのあるユーザー
  • 自社のソーシャルメディアのフォロワー

 

屋外看板などと比較して、かなり多くの指定ができるのをおわかりいただけますでしょうか。
これを駆使すると、たとえば、

「後楽園に観光に行こうとしている英語圏のユーザーに、さらにおすすめの観光地やお土産もの店を紹介する」

「岡山県在住の大学2年生にインターンシップの告知をする」

などのように、ターゲットになりうるユーザーに対して、そのユーザーが今興味関心を持っていなくても、広く認知してもらうために広告を配信することができるのがターゲティング広告です。

「現在関心が高くて、検索して調べようとしている」ユーザーについては、前回の記事でお伝えした検索連動型広告が有効ですが、潜在的に興味や関心はあるが、実際に調べるという行動に移していないユーザーにアプローチできるのは、ターゲティング広告の強みです。

 

機械学習して効果を高めるターゲティング広告

WEB広告業界の技術革新のスピードは凄まじく、機械学習によって広告の効果を高める技術は、現在ほぼ標準的に活用されています。

たとえば、運用を進めていくことで、機械学習によって自動的にターゲットの中からさらに効果を得やすいユーザーを選別し、配信してくれるようになります。

また、広告の運用を続けていくと、効果の高いターゲット群と、そうでないターゲット群の選別ができるようになるのですが、効果の高いターゲット群と属性や興味関心が類似したユーザーを探してグルーピングし、そのグループに対して広告を配信する「類似オーディエンス」と呼ばれるターゲティング手法もあります。「類似オーディエンス」は、効果の高いターゲットと類似した属性・嗜好を持つユーザー群ですので、充分に効果を得られる可能性が高いと考えることができるわけです。

このように、機械学習によって効果を高めることができるターゲティング広告は、効果測定が可能なWEB広告だからこそ進化した技術で、今後もその精度の向上が期待できます。

 

ターゲティング広告が向いているビジネス、使い方

ターゲティング広告の仕組みはおわかりいただけましたでしょうか。
では、ここからは、ターゲティング広告が向いているビジネス、使い方についてご紹介しましょう。

ターゲティング広告は、ユーザーが検索したその検索結果に表示される検索連動型広告とは異なり、商品やサービスのターゲットに対して受動的に広告が表示されます。
検索しなくても広告が表示されることから、「検索されにくい商材」での活用が可能です。また、機械学習が進んでいるとはいえ、ターゲットユーザーの配信先の指定は地域、年齢、性別などのざっくりしたものですので、BtoC向けの商品・サービスなど、ターゲットが多い商材との相性が良いです。

たとえば、ファストフード店の新メニューの紹介や家電・携帯電話などの新商品の紹介、新店舗オープンの告知、イベントやセールの告知などに使われることが多いです。選挙に行こうという啓蒙のためにターゲティング広告を活用されたという面白い事例もあります。

これらに共通して言えるのは「商材の名称がほとんど検索されない」ということです。認知が高くないうちは、商品名・サービス名がわからないので検索しようがありません。

ターゲティング広告は、広告を露出していくことで、興味のある人はその広告からWEBサイトにアクセスすることもできますし、広告をクリックしなくても、商品名等を改めて検索する可能性もあります。

つまり、ターゲティング広告は、露出量の多さと、効果の得やすいターゲットをいかに絞り込むかがカギです。

 

ターゲティング広告は、一般的に、検索連動型広告よりも1クリックあたりに必要な広告費は安価で、クリックされやすさ(クリック率)も低いことから、広告費に対して広告が表示される回数はとても多くなります。20万円の広告費で2億回ほど広告が表示される…という場合もあります。

交通広告や新聞折り込みチラシなどの効果に疑問を持ち始めたという方や、新店舗・新商品について広く知ってもらいたい方、大規模なイベントの集客を検討中の方、新しくWEBサイトをオープンしたという方など、一度ターゲティング広告をご検討されてみてはいかがでしょうか。

貴社のビジネスを深くヒアリングさせていただいたうえで、最適な配信媒体、配信手法をご提案させていただきます。