近年、SNSやECサイトなどの普及によって、消費者は情報を受け取るだけでなく、発信することも簡単にできるようになりました。

そのため、企業や商品・サービスなどの感想や評価を気軽に発信する人が増え、また、口コミを見て商品の購入やサービスの利用に踏み切る人が増えていることから、口コミの影響力が非常に高くなってきています。

先週公開したMEOとは?基礎知識と施策のポイントでも、口コミをうまく活用することが重要だとお伝えしています。

そこで今回は、消費者が声を上げやすくなった現代において口コミはどのような立ち位置なのか、そして企業はユーザーの口コミに対してどのような取り組みを行い、どのようなことに注意すれば良いのかについてご紹介します。

そもそも「口コミ」って何?

口コミとは、「口頭で行うコミュニケーション」の略であると言われています。

これまで口コミは人から人へ口頭で伝える、いわば噂話のようなものでした。
親しい人から直接情報が伝えられるため、小規模ながらもそれなりの影響力を持っていました。

今では、手元のスマホなどを通じて情報をSNSで手軽に投稿・拡散できるようになり、これまでとは比べ物にならないほど大きな影響力を、広範囲に及ぼすようになりました。

そのため現代における口コミとは、単なる「口頭でのコミュニケーション」ではなく「消費者による率直で本質的な意見」としてその価値を高めていると言えるでしょう。

口コミは高い影響力を持つ

口コミは広告などに比べて、高い影響力があると言えます。
その理由は大きく分けて二つです。

一つ目は口コミ=消費者の率直な声であるという点です。
実際、商品やサービスを利用した消費者の「生の声」は、企業から提供されるカタログなどからは得られない貴重な情報として活用されています。

そのため、口コミは消費者の購買動機につながる大きな要因の一つであり、商品の購入やサービスの利用の決定に大きな比重を占めているのです。
ただし、ポジティブな意見だけでなく、ネガティブな意見が反映されることもあることは留意が必要です。

そして二つ目が、波及効果が高いことです。
発信された口コミがネットを通じて多くの人々の目に留まり、その口コミが拡散されることで、より広範囲に波及していきます。

さらに近年では、個人が気軽に、WEBやSNSを使って情報発信できるため、意図せずとも「口コミ」が押し寄せ、以前より目に留まる機会が格段に増えてきており、口コミが口コミを呼んで大きく広がります。

これらのことから、口コミは高い影響力を持つことがわかります。

口コミをうまく活かすために

企業は、口コミとして寄せられた情報ををどのように活用し、どのようなことに気を付けると良いのでしょうか。
ポイントは、次の3つです。

口コミを”次”の施策に活かす

口コミはユーザーの反応です。
その内容には、商品・サービスの良かった点や課題点、新しい要望など、今後に役立つさまざまな情報があります。

口コミを分析して得られたデータをもとに商品・サービスの改善ができたり、新商品・新サービスのヒントを得ることもできます。

口コミを定期的にチェックして、消費者がどんなことを求めているのかを把握すると良いでしょう。
中にはネガティブな意見をもらうこともあるかもしれませんが、そうした意見こそが宝の山であり、次につながる重要な情報が埋もれているのです。

商品・サービスをリリースして終わりではなく、その後の改善に口コミを活かしましょう。

真摯な対応で効果を高める

SNSやECサイト、Googleマイビジネスなど、口コミが寄せられる場所では、企業側もコメントを残せることが多いので、口コミ一つひとつに真摯に対応することで、より好印象を与えることができます。

例えば、

・口コミ=貴重な意見をくれたことににお礼を述べる

・改善点や改良点など、消費者が商品・サービスをより使いやすくするために取り組むことを伝える

・もし、間違った情報や誤解があった場合は、正しい情報を伝える

などが効果的です。

ステマにならないように気を付ける

ステマ(ステルスマーケティング)とは、消費者に宣伝や広告とわからないように宣伝をすることです。

口コミにおいては、内容をポジティブなものばかりにするために、ネガティブな意見を全て削除したり、一般のユーザーを装ってポジティブな内容の”やらせ”口コミを発信したりすることが挙げられます。

口コミの影響力が大きいのは、消費者目線情報だからこそです。
そのため、その口コミがステマだと分かると、たとえポジティブな意見が集まっていたとしても、その情報は影響力を持たなくなります。

不正な操作ややらせ口コミなどをせず、ポジティブな意見も、ネガティブな意見も真摯に受け止めて対応すれば、ステマなどを利用しなくても、自然と消費者にとって有益な情報が拡散されていきます。

おわりに

今回は、現代における口コミの影響力と、どのように口コミを活用していくと良いかについてご紹介しました。
大きな影響力がある反面、対応を誤れば危険な凶器にもなる口コミ。

うまく活用して、ぜひ、会社や商品・サービスのブランド力アップにつなげましょう。