新年、あけましておめでとうございます。
最近は明け方に車の窓が凍結しはじめ、本格的に冬がやってきたことを感じている大藤です。
以前、ブログ担当者が絶対に押さえておくべき「著作権」についての記事内で、「世の中の画像や動画、音楽、文章には作者の権利を守るために著作権がある」というお話をしました。
著作権を侵害した場合、民事や刑事での訴訟に至る可能性も十分にあることから、SNSやブログを書く際には著作権を侵害しないように運営しなければいけません。
著作権を侵害せずにSNSやブログを運営するために押さえておくべきことは沢山ありますが、中でも今回は「自分で撮影した写真や動画を、自社のSNSやブログで使用するときの注意点」についてご紹介します。
自分で撮影した写真が権利侵害!?
前回の記事で、著作権を侵害しないための対策として最も安全な方法は、SNSやブログに掲載する全ての写真・動画を自前で用意することだとお伝えしました。
自分で撮影した写真や映像であれば、「撮影者の著作権」を侵害することが無いため、問題なくSNSやブログに使用できます。
しかし、写真や動画の場合は、撮影者だけでなく「被写体」に対しても権利が発生するため注意が必要です。
被写体の権利を持つ相手に、無断で写真や動画をSNS・ブログに掲載したときに権利侵害となる可能性があります。
では、被写体が持つ権利とはどんなものがあるのでしょうか。
代表的なものを2つご紹介します。
肖像権
肖像権は写真や動画に写っている「人」に対して発生する権利です。
肖像権には、撮影された本人の許可なしに写真や動画が勝手に使用されることで、撮影された人に社会的な不利益が生じるのを防ぐ目的があります。
また、撮影された写真や動画によって発生した利益や対価を、撮影された本人が正しく得られるようにする目的もあります。
承諾なしに撮影された写真や動画が無断でSNSやブログに使用された場合、撮影された本人は不利益を回避したり、正当な利益を受け取るために肖像権を主張することができます。
商標権
商標権は、写真や動画にある「商標」に対して生まれる権利です。
商標とは、企業ロゴや商品、サービスなどを企業が特許庁に登録して「このデザインや名前はウチのものだ」ということを明確にしたものです。
店舗の看板や広告、身につけているものやオフィスにあるものなど、身の回りのさまざまなものが商標として登録されているので、街角の撮影やオフィス内の撮影でも注意が必要です。
SNSやブログで権利を侵害しないためのポイント
さて、ここまでは撮影した写真や動画に関わる、被写体の権利を2つご紹介しました。
ここからは、SNSやブログで権利を侵害せずに写真や動画を使用するためのポイントをご紹介します。
被写体の権利者に許可を取る
もっとも確実なのが、被写体の権利者に撮影や使用の許可を取ることです。
権利者によって、許可を取る難しさは変わってきますが、自社の商品やスタッフであれば、撮影した画像や動画を自社SNSやブログで使用する分には問題なくクリアできるでしょう。
撮り方の工夫で権利をクリア
撮影をするときの工夫によって、被写体の権利を侵害しない画像や動画を用意できます。
権利を侵害しない画像や動画を撮影するために押さえておきたいポイントは、撮影された写真や動画によって被写体の個人情報や企業、商品、サービスが特定できるかどうかです。
例えば、
・人物であれば後ろ姿や手元、足元など体の一部のみを撮影する。
・会社や商品、サービスであれば商品名、ロゴなどが写らない角度から撮影する。
このように、被写体が誰(何)なのかを特定できないようにすることで、撮影した写真や動画を使うことができます。
写り込みはOK?
街の風景写真で、写真の奥に看板が映り込んでいたり、通行人の顔が写り込んでいたりするものを見たことはないでしょうか。
厳密に言えば、写真に写り込んだ看板や通行人にも、それぞれ肖像権や商標権は発生します。
しかし、偶然写り込んでしまったものに肖像権や商標権を適用してしまうと、写真や動画などの創作活動ができなくなることから、被写体の権利を害さないものであれば、写真や動画に写り込んだ場合に関しては肖像権や商標権の侵害にはならないことが決められています。
写り込みの範囲についてですが、その被写体が写真や動画内でメインとなっているかどうかで判断されます。
被写体があくまで背景のひとつとして写っている場合は、「写り込みの範疇」と判断されて肖像権や商標権の侵害にはならないといえます。
これは、文化庁の『いわゆる「写り込み」等に係る規定の整備について』というページに記載されています。
参考文献:文化庁『いわゆる「写り込み」等に係る規定の整備について』
https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/hokaisei/utsurikomi.html
ぼかしを入れる
SNSやブログに掲載しようとした画像や動画が、権利侵害をしているかもしれないと気付いたら、どうすれば良いでしょうか。
一番良いのは撮り直しをすることですが、毎回タイミングよく撮り直せるとは限りません。
こうした場合の対処法のひとつが、該当の箇所にぼかしを入れることです。
被写体の写り方にもよりますが、写真や動画のクオリティを大きく落とすことなく、手軽に肖像権や商標権の対策ができます。
今回は、著作権についてご紹介する記事の第2弾をご紹介しました。
被写体の権利は、自社のSNSやブログなど、さまざまなメディアを運営する上で守るべきポイントです。
きびだんごのウェブマーケティング
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