近年、ドローンを用いた測量が普及し、土木・建設の業界で活用する企業が増えてきています。
セスナ機などを用いた測量や、地上で測量士や測量士補が作業を行う地上測量と比べて、どのようなメリットがあるのでしょうか。

今回は、ドローンによる測量のメリットをご紹介します。

ドローンで測量する4つのメリット

ドローンによる測量は、従来の測量方法と比較して大きく4つのメリットがあります。それぞれ詳しくご紹介します。

1:人が入れない場所の測量に対応できる

地上測量を行う際、平坦な地形であれば何も問題はありませんが、そういった状況ばかりとは限りません。
河川や土砂崩れなど、人や機材の進入が難しい危険な場所で測量するケースもあります。
そんな状況でも、遠隔操作や自動操縦で測量ができるドローンであれば、地形の影響を受けずに測量が可能です。

2:高解像度の2D・3Dデータを手に入れられる

ドローンは、従来の航空測量で使うセスナ機よりもはるかに低空を飛行します。
被写体に近い場所で撮影できるので、無人機に搭載できるサイズのカメラでも、非常に高解像度な画像を撮影できます。

また、ドローンによる航空測量は、1つの被写体に対して移動しながら複数のアングルで撮影することから、必然的に航空三角測量となります。
そのため、ドローンと3Dソフトを連携させることで、単なる2D画像だけでなく、点群データや標高差データ、それらを基にした3Dモデルなどの立体的なデータも容易に手に入れることができます。

入手したデータはそのまま図面などの書類として活用できるため、作業の効率化にも貢献します。(従来の場合、トータルステーションやGNSSといった機器で取得した情報を、CADソフトなどを用いて図面化する工程が必要)

3:工期の短縮につながる

ドローンによる測量は、あらかじめ設定したルートを自動的にドローンが飛行しながら、写真撮影やデータ取得を行う方法です。
測量士はドローンが設定通りに正しく飛行しているか、取得したデータに間違いがないかを管理するのが主な業務となります。

従来の地上測量に比べて必要な人員も少なく済むほか、測量するスピード自体もかなり速いため、全体的な工期短縮に大きく貢献します。

また、必要な機材が少なく、他の作業を行う車両に積んで移動できるため、日程の調整が容易なことも工期を短縮しやすい要因です。

さらに、ドローンでの測量は人や車両などが写っていても問題なく、作業の手を止めることもありません。

4:コストを抑えられる

これまで、セスナ機などを飛ばして測量する際は非常に多くの費用が必要でした。
しかし、ドローンで測量する方法が登場してからその費用を大幅に抑えることが可能になりました。
ドローンで測量することによって、機体の費用やカメラの運用費、パイロットやカメラマンの人件費をそこまでかけなくても高解像度な画像データを得られるためです。
条件によっては費用を10分の1程度にまで減らすこともできます。

また、地上測量についても、人件費や機材維持費など、測量に時間がかかることで発生するコストの削減につながっています。

このように、ドローンでの測量には「人が入れない場所の測量も柔軟に対応できる」「高画質・高精細な2D・3Dデータを手に入れられる」「工期の短縮につながる」「コストを抑えられる」というメリットがあります。

ドローンには苦手なものもある

ここまでご紹介してきたように多くのメリットがあり、万能なように思えるドローンでの測量ですが、一部苦手なシチュエーションもあります。
そこでここからは、ドローンが苦手とする環境についてご紹介します。

広大すぎる測量範囲

ドローンでの測量は、目的の場所にドローンの機体を飛行させて行います。そのため、測量範囲はドローンの飛行可能時間に大きく左右されます。
2020年10月現在、測量に用いられるドローンの飛行可能時間は20分ほどのものが多く、大規模な測量を行う際にはバッテリーの交換を繰り返さなければなりません。

バッテリー交換を行う度、時間もコストも余計にかかってしまうため、大規模な測量を行うのであれば、セスナ機などを用いた航空測量の方が良いこともあります。

木や建物など遮蔽物の多い場所

ドローンによる測量では、上空で移動しながら複数の写真を撮影し、それらを組み合わせて3Dのデータとして導き出します。
そのため、遮蔽物の多い場所では地面が隠れてしまい、正しく測量できないことがあります。
こうした場所では、従来通り地上測量が必要となります。

一部の場所ではドローンを飛ばすこと自体ができない

測量に限らず、ドローンを飛ばすためにはその土地での飛行許可を申請し、許可を取らなければなりません。
しかし、一部の場所の周辺ではドローンの飛行許可が下りないケースがあります。

いくつかご紹介します。

(テロ対策としてドローンの飛行を禁止している)

・原子力発電所
・首相官邸(特別な許可が必要となる)
・人口密集地
・空港

これらの場所ではドローンの飛行許可自体が下りないため、必然的にドローンによる測量も難しくなります。(2020年10月時点の法律に基づく)
これらの場所で測量が必要になった際には、従来の方法で行いましょう。

 

まとめ


ドローンによる測量はメリットも多く、間違いなくおすすめできる方法のひとつです。
一方で、状況によって従来の測量方法が適している場合もあります。

ドローンによる測量のメリットと弱点を理解し、従来の方法と上手く組み合わせて、効率的な測量に役だてましょう。

 

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