SNSのタイムラインを流れる動画広告は、テレビCMとはまったく別物です。同じ15秒でも、設計が根本的に違います。
「動画を作ったが、まったく反応がない」というご相談をいただくとき、原因のほとんどは動画の完成度ではなく、冒頭2〜3秒の設計にあります。
この記事では、SNS動画広告の実務的な作り方を、媒体ごとの違いを含めて整理します。
最適な長さ:媒体別の目安
| 媒体 | 推奨の長さ | 縦横比 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| Instagram リール | 9〜15秒 | 9:16(縦) | 音声オンで視聴される率が高い |
| Instagram ストーリーズ | 5〜15秒 | 9:16(縦) | スキップされやすい。1メッセージに絞る |
| Instagram フィード | 15〜30秒 | 1:1 または 4:5 | 音声オフ前提。字幕必須 |
| Facebook フィード | 15〜30秒 | 1:1 または 4:5 | 年齢層が高め。説明を丁寧に |
| TikTok | 9〜21秒 | 9:16(縦) | 広告らしくない作りが有利 |
| LINE(トークリスト等) | 6〜15秒 | 面によって異なる | 一瞬しか見られない前提 |
| YouTube インストリーム | 15秒 or 6秒 | 16:9(横) | 5秒でスキップされる前提 |
迷ったら15秒が基本です。ただし重要なのは総尺ではなく、最初の3秒に何を置くかです。
長い動画が悪いわけではない
商材の説明が必要なBtoBや、高単価商材では、30秒〜60秒の動画が機能することもあります。判断基準は「視聴維持率」です。
配信後に動画の視聴維持率レポートを確認し、どの秒数で離脱が起きているかを見てください。10秒で7割が離脱しているなら、それ以降の内容は誰にも届いていません。
冒頭3秒がすべてを決める
SNS上のユーザーは、広告を見に来ているわけではありません。「自分に関係ない」と判断した瞬間にスクロールされます。
冒頭に置くべきもの
- ターゲットの呼びかけ:「岡山で外壁塗装を検討中の方へ」
- 課題の提示:「毎月の求人費、いくらかけていますか?」
- 意外性・違和感:見慣れない絵で指を止めさせる
- 結論の先出し:「結論から言うと、◯◯です」
冒頭に置いてはいけないもの
- 企業ロゴのアニメーション(最も多い失敗)
- 「はじめまして、株式会社◯◯です」という自己紹介
- 風景や建物の引きの絵
テレビCMの文法をそのまま持ち込むと、ほぼ確実に失敗します。ロゴは最後で構いません。
音声オフ前提で作る
Instagramフィード、Facebookフィード、LINEでは、多くのユーザーが音声オフで視聴します。
そのため以下が必須です。
- 字幕(テロップ)を全編に入れる
- 音がなくても意味が通じる構成にする
- 重要な情報は文字で画面に出す
ナレーションだけで説明する動画は、音声オフの環境では無音の映像になります。
縦型で作る
スマートフォンでの視聴が前提です。横型(16:9)の動画をそのまま配信すると、画面の大半が余白になり、視認性が大きく落ちます。
- 9:16(縦フル):リール、ストーリーズ、TikTok
- 4:5(縦長):フィード。1:1より画面占有率が高く有利
- 横型が必要なのは、YouTubeインストリームなど一部のみ
既存の会社紹介動画(横型)を流用したい、というご要望はよくいただきますが、縦型に作り直す前提で考えてください。文字の配置とトリミングだけでも大きく変わります。
構成のテンプレート(15秒の場合)
| 秒数 | 内容 |
|---|---|
| 0〜3秒 | フック:ターゲットへの呼びかけ、課題提示 |
| 3〜8秒 | 共感・具体化:「こんなことありませんか」 |
| 8〜12秒 | 解決策:サービス・商品の提示。実績の数字 |
| 12〜15秒 | CTA:「詳しくはプロフィールから」「今なら◯◯」 |
CTAは文字と音声の両方で入れてください。何をしてほしいのかを明示しない動画は、見て終わりになります。
成果が出ない動画の共通点
1|1本の動画に情報を詰め込みすぎている
15秒で伝えられるメッセージは1つだけです。「品質もいい、価格も安い、対応も早い」と並べると、何も残りません。
2|クリエイティブを差し替えていない
SNS広告は同じ動画を出し続けると必ず疲弊します。 同じユーザーに何度も表示されるため、2〜4週間で反応が落ちるのが通常です。
最低でも月1本、できれば3〜5パターンを並行配信して、勝ちパターンを見つける運用が前提になります。
3|着地先がトップページ
動画で興味を持った人が、会社のトップページに着地すると、何を見ればいいのか分からず離脱します。動画の訴求内容に対応した専用ページ(LP)を用意してください。
4|実写がなく、素材とテロップだけ
特に地域ビジネスでは、実際の人・現場・商品が映っている動画のほうが圧倒的に反応が良い傾向があります。フリー素材で作った動画は、どこの会社か分かりません。
制作費と運用費の目安
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 動画制作(15秒・実写撮影あり) | 10〜30万円/本 |
| 動画制作(素材+テロップ編集) | 3〜10万円/本 |
| 既存素材からの縦型リサイズ・字幕追加 | 1〜3万円/本 |
| 広告配信費 | 月10万円〜 |
| 運用手数料 | 広告費の20%程度 |
動画1本を作り込むより、3本を素早く作って比較検証するほうが、結果的に安く成果に届きます。 最初から完璧を目指さないでください。
どの媒体から始めるか
- BtoC・視覚訴求型(飲食、美容、住宅、小売) → Instagram(リール)
- 地域密着・幅広い年齢層 → LINE
- 若年層の採用 → Instagram + TikTok
- BtoB → Facebook + YouTube
媒体ごとの特性を踏まえた組み合わせは、Web・SNS広告運用でご相談を承っています。
まとめ
- 長さは15秒が基本。ただし最初の3秒がすべてを決める
- ロゴと自己紹介から始めない
- 音声オフ・縦型が前提。字幕は必須
- 1本に1メッセージ。月1本以上は差し替える
- 着地先は専用ページを用意する
株式会社きびだんごは、岡山で動画制作とSNS広告運用の両方を自社で行っています。 撮影・編集から配信設計、配信後の視聴維持率の分析、クリエイティブの差し替えまで、一貫してご対応できます。
「既存の会社紹介動画を広告用に作り替えたい」といったご相談も承っています。
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