ドローン空撮を依頼する前に確認すること|許可・天候・撮影当日の流れ
こんにちは!岡山の動画制作会社きびだんごです。
工場の全景や施設の俯瞰(ふかん=上から見下ろした画)を撮りたい、というご相談が増えています。ホームページのトップに大きく使う写真、採用サイトの会社紹介、展示会用の映像など、使いどころが広いからです。
ただ、ドローン空撮は普通の写真撮影と違い、依頼する側でも事前に決めておくことや確認しておくことがあります。そこが曖昧なまま見積もりを取ると、金額が比べられなかったり、撮影当日に飛ばせなくて延期になったりします。この記事では、依頼前に押さえておきたい点を、飛行許可・現場の管理・天候・当日の流れの順に整理します。
まず決めるのは「何に使う映像か」
技術的な話の前に、用途を決めてください。用途が決まると、必要な撮影時間も、飛ばす高さも、撮るカットも変わります。ここが決まっていないと「とりあえず飛ばして色々撮る」ことになり、費用がかさむわりに使える素材が少ない、という結果になりがちです。
- ホームページのトップに敷く静止画(横長で、文字を載せる余白が要る)
- 会社案内やパンフレットに使う静止画(印刷するので高解像度が要る)
- 採用サイトや会社紹介の動画(寄りと引きの両方、人が写るカットも要る)
- SNSやショート動画(縦型で撮る必要がある)
- 設備の点検記録や工事の進捗記録(見た目より、同じ角度で繰り返し撮れることが大事)
特に見落としやすいのが縦型です。後から横長の映像を切り抜いて縦にすると、端が切れて構図が崩れます。SNSでも使う予定があるなら、最初から縦でも撮ってもらうよう伝えておくほうが確実です。SNSで使う動画の考え方はSNS動画広告の作り方と最適な長さでも整理しています。
飛行許可まわりで依頼側が確認すること
ドローンの飛行は航空法などのルールで管理されています。申請そのものは撮影業者側で行うのが一般的ですが、依頼する側でないと答えられない情報がいくつかあります。それが揃わないと申請が進まないので、早めに手配してください。
撮影場所の正確な位置と敷地の範囲
住所だけでなく、敷地の境界がわかる資料があると話が早いです。工場なら配置図、施設なら敷地図のコピーで構いません。どこまでが自社の土地で、どこから隣地なのかが、飛行経路を考えるうえで重要になります。
土地・建物の管理者の許可
航空法の許可とは別に、その場所で飛ばしてよいかという土地の管理者の承諾が要ります。自社所有の敷地なら社内で判断できますが、借りている土地、工業団地内、港湾区域、公園などの場合は、管理する側への確認が必要です。ここは依頼側で動いていただくほうがスムーズな場面が多いところです。
周辺の状況
近くに住宅、学校、病院、高圧線、鉄道、高速道路があるかどうかは、飛行計画に直結します。また、空港の近くや人口が集中している地域は、飛行に追加の手続きが必要になる場合があります。岡山県内でも場所によって条件が変わるので、現地の写真を数枚送っておくと事前の判断がしやすくなります。
申請には日数がかかる前提で動く
内容によっては、申請から許可が下りるまでに数週間かかることがあります。日数は申請内容や時期によって変わるため一概には言えませんが、「来週撮りたい」は厳しいケースが多いと考えてください。ホームページ公開日やパンフレットの納品日が決まっているなら、そこから逆算して、余裕をもって相談することをおすすめします。
現場側で準備しておくこと
許可が下りても、現場の段取りができていないと良い画は撮れません。以下は依頼側でしか手を打てない部分です。
立入管理と人への周知
飛行の真下に関係者以外が入らないようにする必要があります。撮影時間帯に敷地内を通る社員、搬入のトラック、来客がいるなら、事前に時間をずらすか、通行ルートを決めておきます。近隣に住宅や他社の工場があるなら、「何日の何時ごろ、自社敷地内でドローンを飛ばします」と一声かけておくと、当日の問い合わせや不安を防げます。
映ってはいけないものを洗い出す
上から撮ると、思った以上に広い範囲が写ります。取引先名の入った資材、開発中の設備、他社の敷地、社員の車のナンバーなど、公開に差し支えるものがないかを事前に確認してください。「この建屋の裏は映さないでほしい」といった指示は、撮る前に伝えておくほど確実です。撮影後に画像処理で消す対応もできますが、手間と費用が増えます。
見た目の整理
屋外に置いたパレット、空き段ボール、乱れた駐車場は、空撮だとはっきり目立ちます。社名看板が汚れていないか、社旗が出ているか、屋根に古い表示が残っていないかも見ておきましょう。撮影前日に30分だけ敷地を片づけるかどうかで、写真の印象はかなり変わります。
当日の窓口担当を1人決める
現場で「この角度でいいか」「もう1カット撮るか」を判断できる人が必要です。判断できる人が不在だと、撮影チームは念のため多めに撮ることになり、時間が延びます。社長や責任者が立ち会えない場合は、どこまでをその場で決めてよいかを事前に共有しておいてください。
天候と予備日の考え方
空撮で最も多い延期理由は天候です。雨はもちろんですが、実務でより問題になるのは風です。機体には耐えられる風速の目安があり、それを超えると安全のために飛ばせません。地上が穏やかでも上空は強い、ということもよくあります。
| 条件 | 撮影への影響 |
|---|---|
| 雨・雪 | 原則中止。機体の防水性能の問題と、画が濁る |
| 強風 | 安全上中止の判断。地上と上空で差がある点に注意 |
| 曇天 | 飛行は可能なことが多いが、空が白く沈んだ印象の画になりやすい |
| 快晴・薄曇り | 最も条件が良い。影の向きで時間帯を選ぶ |
| 濃霧 | 目視できず中止 |
そのため、最初から予備日を1〜2日決めておくのが現実的です。予備日は「同じ曜日の翌週」のように、現場側も社内調整しやすい日にしておくと動きやすくなります。また、太陽の位置で建物の影の出方が変わるので、建物の向きに合わせて午前か午後かを決めると、仕上がりが安定します。中止の判断をいつ誰がするか(前日夕方に業者が連絡する、など)も、契約前に確認しておきたい点です。
延期した場合に追加費用が発生するかどうかも、見積もり段階で聞いておきましょう。天候による延期は無償、依頼側の都合による直前キャンセルは費用が発生、という扱いが一般的ですが、業者によって条件は異なります。
撮影当日の流れ
規模にもよりますが、工場や施設の空撮は半日程度で収まることが多いです。おおよその進行は次のようになります。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 到着・打ち合わせ | 撮るカットの確認、映さない範囲の再確認、離着陸場所の決定 |
| 安全確認 | 風速の計測、周囲の人や車の確認、機体点検 |
| テスト飛行 | 低い高度で挙動を確認し、構図のあたりをつける |
| 本番撮影 | 全景、斜め俯瞰、寄りのカットなどを順に撮影。バッテリー交換を挟む |
| その場で確認 | モニターで撮れた画を依頼側に見てもらい、追加カットの要否を判断 |
| 地上撮影 | 必要に応じて、外観や社内の写真・映像も同日に撮る |
| 撤収 | 機材片付け、データのバックアップ |
1本のバッテリーで飛べる時間は限られているため、実際の飛行は「飛ばす、降ろす、交換する」の繰り返しになります。ずっと飛び続けているわけではない、という点は知っておくと当日の見通しが立てやすいです。
その場でのモニター確認は必ずやってください。後から「もう少し引いた画がほしかった」となると、再度の撮影になります。迷ったら、同じ場所で高さや角度を変えて何枚か押さえてもらうのが安全です。
見積もり前に決めておくと比較しやすい項目
空撮の見積もりは、業者によって含まれる範囲が違います。金額だけを並べても比較になりません。次の項目を自社側で決めたうえで、同じ条件で聞いてみてください。
- 撮影場所の数(1か所か、複数拠点を回るか)
- 静止画か動画か、両方か。必要な点数や尺の目安
- 縦型が必要かどうか
- 編集まで頼むのか、撮影データの納品までか
- 編集を頼む場合、ナレーションやBGM、テロップが要るか
- 申請代行が費用に含まれるか
- 天候延期時の扱いと予備日の設定
- 撮影データの権利と、使ってよい範囲(Web限定か、印刷や展示会でも使えるか)
- 保険の加入状況
費用は、撮影のみか編集込みか、移動距離、拘束時間、申請の有無で大きく変わります。一般的には半日の撮影で数万円台から、編集込みの映像制作になると十数万円以上になるケースが多い、という程度が目安です。条件次第で前後するため、必ず自社の条件で見積もりを取ってください。制作全般の費用の考え方については料金・進め方のページもあわせてご覧ください。
撮った素材をどう使うかまで考える
せっかく撮った空撮素材が、ホームページのトップに1枚置かれただけで終わってしまうことがあります。もったいない使い方です。
製造業なら、工場の規模や設備の充実ぶりが一目で伝わるので、会社概要や事業内容のページでも効きます。採用サイトでは、働く場所のスケール感を伝える材料になり、文字だけでは伝わらない部分を補えます。建設業や工務店なら、施工実績の見せ方として現場の全景が使えますし、不動産なら物件周辺の環境を伝える素材になります。
業種ごとの使いどころについては、製造業のホームページ制作・ウェブ集客や工務店・建設会社のホームページ制作・ウェブ集客のページで、どんな構成が成果につながりやすいかをまとめています。撮影を検討する前に、サイト全体の中でどこに置くかを決めておくと、必要なカットも見えてきます。
短い縦型動画として使う前提なら、撮影時点でその想定が要ります。ショート動画制作のページでは、どんな形式の動画を作れるかを紹介しています。空撮を一部のカットとして組み込む作り方もあるので、合わせて検討してみてください。
よくある質問
依頼から撮影までどれくらいかかりますか
場所や飛行内容によって大きく変わります。申請が必要な条件だと、許可が下りるまでに日数がかかるため、相談から撮影まで1か月前後を見ておくと安心です。自社敷地内で条件がシンプルなケースはもっと短くなることもありますが、天候による延期も含めると、納品日の1〜2か月前には動き出すことをおすすめします。
社員や来客が写り込んでも問題ありませんか
上空からの引きの画では個人が特定できないことが多いですが、低い高度で撮ると顔がわかる場合があります。社員が写る可能性があるなら、撮影日と用途を事前に社内へ周知し、必要に応じて同意を取っておくのが安全です。来客や取引先の車などが写らないよう、時間帯の調整もしておきましょう。
撮影データの権利はどうなりますか
業者によって扱いが異なります。納品データを自由に使えるのか、用途が限定されるのか、元データ(編集前の素材)ももらえるのかは、契約前に必ず確認してください。後からパンフレットや展示会で使いたくなることは多いので、使用範囲は広めに取り決めておくほうが後々困りません。
空撮は、撮ること自体が目的ではなく、自社をどう見せたいかを伝えるための手段です。用途と段取りを先に決めておけば、当日の撮影は驚くほどスムーズに進みます。撮影後の使い道まで含めて相談したい場合は、お気軽にご連絡ください。