ホームページのリニューアル時期の判断基準|作り直すべきサインと進め方
ホームページを作ってから何年も経つけれど、作り直すべきかどうか判断がつかない。岡山県内の中小企業からいただく相談で、かなり多いのがこのテーマです。リニューアルは決して安い買い物ではないので、迷うのは当然です。この記事では、リニューアルを検討すべき具体的なサインと、今のサイトの資産を無駄にしない進め方を整理します。
リニューアルの目安は何年か
一般的な目安として、コーポレートサイトは公開から4〜6年で見直しの検討時期に入ると言われます。ただしこれはあくまで平均的な話で、業種や更新頻度によって大きく変わります。毎月ブログや実績を追加しているサイトは長く使えますし、公開後まったく触っていないサイトは3年で古さが目立つこともあります。
年数だけで決めるのではなく、次の3つの視点で判断するのが現実的です。ひとつは「見た目と技術の古さ」、ふたつめは「自分たちで更新できるか」、みっつめは「問い合わせや応募につながっているか」です。この3つのうち2つ以上に当てはまるなら、リニューアルを具体的に検討する段階と考えていいでしょう。
作り直しを検討すべき7つのサイン
1 スマホで見ると文字が小さく崩れている
最優先で確認したいのがスマホ表示です。スマホで開いたときにパソコン用のレイアウトがそのまま縮んで表示され、指で拡大しないと読めない状態なら、それだけでリニューアルの理由になります。多くの業種で閲覧の6〜7割以上がスマホからという状況です。検索順位の評価もスマホ表示が基準になっているため、放置するほど不利になります。
2 自分たちで文章や写真を直せない
営業時間を変えたい、新しい実績を載せたい。そのたびに制作会社へ依頼して費用と時間がかかるなら、サイトは実質的に止まっています。情報が古いままのサイトは、見た人に「この会社は今も動いているのだろうか」という不安を与えます。更新のしやすさは、リニューアルで得られる効果のうち見落とされがちですが影響が大きい部分です。
3 問い合わせや応募が減っている
数字で判断できる分かりやすいサインです。アクセス数は変わらないのに問い合わせが減っている場合、原因はサイトの中身にあります。逆にアクセス数そのものが落ちているなら、検索面での評価が下がっている可能性があります。どちらなのかで打つ手が変わるため、リニューアル前に現状の数字を確認しておくことが大切です。
4 表示が遅い
トップページが表示されるまでに3秒以上かかると、待たずに離脱する人が増えます。原因は画像のサイズが大きすぎることや、古いシステムのまま機能を継ぎ足してきたことなどさまざまです。表示速度は訪問者の体験にも検索評価にも関わるため、軽視できません。
5 事業内容とサイトの中身がずれている
主力商品が変わった、新しい事業を始めた、採用を強化したい。会社の状況が変わったのにサイトが5年前のままなら、今の会社を正しく伝えられていません。これは見た目の古さより深刻な問題です。訪問者は、書かれていることがその会社のすべてだと受け取ります。
6 SSL化やシステム更新が止まっている
アドレスが「http://」のままだと、ブラウザに「保護されていない通信」と警告が出ます。問い合わせフォームがある場合は特に問題です。WordPressで作られたサイトも、本体やプラグイン(機能を追加する部品)の更新が長期間止まっていると、不正アクセスの入口になり得ます。保守の考え方についてはホームページの「保守」契約とは?契約したほうがいい?でも触れています。
7 社員が自社サイトを人に見せたがらない
数字には出ませんが、案外重要な判断材料です。営業担当が名刺交換の場でサイトを案内しない、採用面接で学生に見てもらうのをためらう。そうした状態なら、社内の人自身が現状のサイトに自信を持てていません。特に採用では、応募者はほぼ必ずサイトを確認します。
全面リニューアルか部分改修かの選び方
サインに当てはまったからといって、すべてを作り直す必要があるとは限りません。課題によっては部分的な改修で十分な場合があります。
| 状況 | 向いている対応 |
|---|---|
| スマホ非対応、システムが古い | 全面リニューアル |
| デザインは使えるが情報が古い | 原稿と写真の差し替え |
| 特定商材の反響を増やしたい | LPを1枚追加する |
| 採用の応募を増やしたい | 採用ページの新設または強化 |
| アクセスはあるが問い合わせが少ない | 導線とフォームの改善 |
たとえば特定のサービスだけ反響を増やしたいなら、サイト全体に手を入れるより1枚完結型のページを作るほうが早く結果が見えることがあります。目的別のページの考え方はランディングページ(LP)制作のページで、どんな用途に向くかを確認できます。
今のサイトの資産を引き継ぐ進め方
ステップ1 現状の数字を記録する
作り替える前に、月間のアクセス数、よく見られているページ、問い合わせ件数を記録しておきます。これがないと、リニューアル後に良くなったのか悪くなったのか判断できません。よく読まれているページは、新サイトでも必ず残すべき資産です。
ステップ2 目的を1つに絞る
問い合わせも採用も認知もすべて、と欲張ると、どれにも届かないサイトになります。今いちばん困っていることは何かを決めてください。新規の問い合わせなのか、人材採用なのか。優先順位が決まると、トップページで何を一番大きく見せるかが自然と定まります。
ステップ3 既存ページのURLを引き継ぐ
リニューアルでもっとも起きやすい失敗が、アクセスの急減です。ページのアドレスが変わったのに、古いアドレスから新しいアドレスへ転送する設定をしていないと、検索結果からの流入が途切れます。301リダイレクトと呼ばれる転送設定のことで、制作会社に依頼する際は必ず対応の有無を確認してください。
ステップ4 原稿と写真を準備する
制作が遅れる原因の多くは、原稿と写真の準備です。誰が何をいつまでに用意するかを最初に決めておくと、進行が安定します。社内で原稿を書くのが難しい場合は、取材して書き起こしてもらう方法もあります。写真は古い集合写真を使い回すより、新しく撮影したほうが印象が変わります。
ステップ5 公開後の運用体制を決める
公開はゴールではなく出発点です。誰が更新するか、どのくらいの頻度で情報を追加するかを、制作中に決めておきます。社内に担当者を置けない場合は、外部に運用を任せる選択肢もあります。まるごとWEB運用担当者では、制作後の更新やSNSまで含めてどこまで任せられるかを紹介しています。
費用と時期の考え方
制作費はページ数や機能によって幅が大きく、一概には言えません。数十万円規模から、ECや会員機能を伴うと数百万円規模まで広がります。判断の際は初期費用だけでなく、公開後の保守や更新にかかる費用も合わせて見てください。具体的な進め方や費用の考え方は料金・進め方のページで確認できます。
時期については、繁忙期を避けて社内で原稿確認に時間を取れる期間を選ぶのが無難です。制作期間はコーポレートサイトで2〜4か月程度が目安ですが、ページ数や社内確認のスピードで変わります。補助金の活用を考えるなら、公募の時期に合わせて逆算する必要があります。岡山県内で使える制度についてはホームページ制作に補助金は使える?岡山県のデジタル化補助金を活用したWeb改善を解説を参考にしてください。
よくある質問
リニューアルすれば検索順位は上がりますか
必ず上がるとは言えません。むしろ転送設定の不備や、これまで評価されていたページを削除したことで、一時的に順位が下がることもあります。順位を維持しながら改善するには、既存ページの整理と転送設定を丁寧に行い、公開後も内容を追加し続けることが必要です。
今の制作会社と連絡が取れない場合はどうすればいいですか
まずドメイン(サイトのアドレス)とサーバーの契約が誰の名義になっているかを確認してください。自社名義であれば、管理情報を取り戻せば別の会社でも引き継げます。制作会社名義の場合は移管の手続きが必要になるため、早めに着手したほうが安全です。現状が分からない場合は、無料サイト診断のような外部の確認から始める方法もあります。
ページ数は減らしてもいいですか
アクセスがほとんどなく内容も重複しているページは、整理して問題ありません。ただし削除前にアクセス数を確認してください。社内で不要と思っていたページが、実際には検索から人を集めている場合があります。残す価値があるページは、新サイトで内容を更新したうえで引き継ぐのが基本です。